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わが百味真髄(檀一雄 著)

わが百味真髄(檀一雄 著)
☆2024.1.29 再掲
文壇屈指の料理人として知られる作家・檀一雄の遺稿集として、1976年に刊行された単行本の文庫版。

料理の達人が、大きな味の宇宙に描き出す百味百態。「春」「夏」「秋」「冬」に章立てされた43編の料理エッセイを収録。

「世界を股にかけた料理人」を自称する著者が、国内外の各地をわたり歩き、心に刻んだ「食」の真髄を書き綴った名著。解説は、実子の壇太郎。
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もう三十年以上もむかしのことになる。
太宰治と私は、卒業の見込みのうすい東大五年生、四年生で、手にゲバ棒こそ持たなかったが、心は悶々、安田講堂から三四郎池のあたりに抜けていって、ヤケにたばこをふかしながら、夕暮れるのを待つ。

(「自家製のニューヨークの味」より)
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◎Contents
▶︎春
 七種ガユ、アズキガユの故事来歴
 イノシシを喰ったフランス美女
「金瓶梅」に書かれたスタミナ料理
 天国へ誘うフグのウインク
 わが身辺に低廉の佳肴あり
 自家製のニューヨークの味
 タコ、イカ熱愛の国民性
 竹輪、カマボコは一卵性双生児
 ニゴリザケ濁れる飲みて……
 銀座の女なみにお高いエビ
 たまには果物の話もしよう
 春まぢかい雪の夜のサクラ鍋
 雪の下萌えの山菜の野趣
 わが思い出の若芽苅り
 渇シテモ盗泉ノ水ハ飲マズ
▶︎夏
 砂丘のほとりの味と匂い
 太宰治に喰わせたかった梅雨の味
 タライ乗りのジュンサイ摘み
 新しい芽は命懸けで喰うべし
 ウオトカに酔う放埒無惨の旅
 便器で料理をつくるダンラン亭
 廃絶させるには惜しい夏の味二つ
 火野葦平とアメリカのビフテキ
 海水浴場の景物アメ湯追憶
 ダンシチューと中村遊郭
▶︎秋
 信州国境に新ソバの妙味を訪ねる
 名歌手に囲まれ「サボイ」の夜は佳なり
 スッポン欠乏で欲求不満
 佐藤春夫邸の鮭の「飯ずし」
 菊の季節の横行将軍 ― 蟹談義
 鍋物で味わうマイホームの幸せ
 報道班仲間で堪能した中国の美味
 青バナ垂らしたカキの快味
 禁鳥ツグミの味
▶︎冬
 雪間近い北国の香魚・玄黒
 晩秋の美味、高砂のアナゴ
 トーマス・マンが書いたドイツ鯉コク
 天下の美女、アンコウをぶった切る
 ジンギスカンの末裔になってみよう
 わが家の年越しソバ異変 ほか
父の料理(檀太郎)

絶版または版元品切れ(2006年に新装改版刊行)
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:中央公論社
□date of issue:2003年7刷(1983年 初版)
□size:15.6x11.4cm
□page:243
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ
三方薄ヤケ

» 随筆・エッセイ
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