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冥途・旅順入城式(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集
百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。
十年の歳月を要して成った記念すべき第一創作集『冥途』と、芥川龍之介が「戛戛(かつかつ)たる独創造の作品」と推賞した第二創作集『旅順入城式』を併せ収める。
師とあおぐ漱石の『夢十夜』にも通じる、薄明の世界にひそむ不安と恐怖を描き出す小説家・百閒の真骨頂。
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高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない、静かに、冷たく、夜の中を走つてゐる。その土手の下に、小屋掛けの一ぜんめし屋が一軒あつた。
カンテラの光りが土手の黒い腹にうるんだ様な暈を浮かしてゐる。私は、一ぜんめし屋の白ら白らした腰掛に、腰を掛けてゐた。何も食つてはゐなかつた。ただ何となく、人のなつかしさが身に沁むやうな心持でゐた。卓子の上にはなんにも乗つてゐない。淋しい板の光りが私の顔を冷たくする。
(「冥途」より)
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◎Contents
冥途
花火
山東京傳
盡頭子
烏
件
木霊
流木
蜥蜴
道連
柳藻
支那人
短夜
石畳
疱瘡神
白子
波止場
豹
冥途
旅順入城式
「旅順入城式」序
昇天
山高帽子
遊就館
影
映像
猫
狭筵
*
旅順入城式
大宴会
大尉殺し
遣唐使
菊
鯉
五位鷺
銀杏
女出入
矮人
流渦
坂
水鳥
雪
波頭
残照
先行者
春心
秋陽炎
蘭陵王入陣曲
木蓮
藤の花
解説:高橋英夫 / 平山三郎
カバー:田村義也
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1984年 重版(1981年 初版)
□size:15x11cm
□page:340
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷みシミ少破れ
三方薄ヤケ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
十年の歳月を要して成った記念すべき第一創作集『冥途』と、芥川龍之介が「戛戛(かつかつ)たる独創造の作品」と推賞した第二創作集『旅順入城式』を併せ収める。
師とあおぐ漱石の『夢十夜』にも通じる、薄明の世界にひそむ不安と恐怖を描き出す小説家・百閒の真骨頂。
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高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない、静かに、冷たく、夜の中を走つてゐる。その土手の下に、小屋掛けの一ぜんめし屋が一軒あつた。
カンテラの光りが土手の黒い腹にうるんだ様な暈を浮かしてゐる。私は、一ぜんめし屋の白ら白らした腰掛に、腰を掛けてゐた。何も食つてはゐなかつた。ただ何となく、人のなつかしさが身に沁むやうな心持でゐた。卓子の上にはなんにも乗つてゐない。淋しい板の光りが私の顔を冷たくする。
(「冥途」より)
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◎Contents
冥途
花火
山東京傳
盡頭子
烏
件
木霊
流木
蜥蜴
道連
柳藻
支那人
短夜
石畳
疱瘡神
白子
波止場
豹
冥途
旅順入城式
「旅順入城式」序
昇天
山高帽子
遊就館
影
映像
猫
狭筵
*
旅順入城式
大宴会
大尉殺し
遣唐使
菊
鯉
五位鷺
銀杏
女出入
矮人
流渦
坂
水鳥
雪
波頭
残照
先行者
春心
秋陽炎
蘭陵王入陣曲
木蓮
藤の花
解説:高橋英夫 / 平山三郎
カバー:田村義也
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1984年 重版(1981年 初版)
□size:15x11cm
□page:340
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷みシミ少破れ
三方薄ヤケ
» 小説
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