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異邦人・シーシュポスの神話(アルベール・カミュ 著、中村光夫ほか 訳、高松次郎 装幀)- カミュ全集 2
アルベール・カミュの著作を編年体で集大成した全集の第2巻。1940年から43年までに発表された全作品を収録している。
「異邦人」は、一般に広く知られている新潮文庫版の窪田啓作訳とは異なる、中村光夫訳。窪田訳の主語は「私」だが、中村訳では「僕」としている。個人的には、より若者らしさを感じる中村訳のムルソーに強く惹かれる。
「シーシュポスの神話」は、「不条理な世界」を生きる人間にとっての「幸福」とは何か、という「異邦人」の主題を掘り下げた哲学的論考。こちらは、新潮文庫版と同じ、清水徹訳。
装幀は、前衛芸術家集団ハイレッド・センターの高松次郎。
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今日、ママが死んだ。それとも昨日か、僕は知らない。養老院から電報がきた。《ハハウエシス」ソウシキアス」チヨウイ ヲ ヒヨウス》これでは何もわからない。たぶん昨日なのだろう。
養老院はアルジェから八十キロのマランゴにある。二時のバスに乗れば、午後のうちにつく。そうすれば、お通夜もでき、明日の晩帰れるだろう。社長に二日間の休暇を要求した。こんな理由がある以上彼は拒絶できない。しかし不満そうな様子だった。僕は彼に《僕のせいじゃないんです》とさえ言った。
(「異邦人」より)
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◎Contents
異邦人(中村光夫 訳)
シーシュポスの神話(清水徹 訳)
▶︎文芸評論、その他小品
モーリス・パレスと《後継者》論争(清水徹 訳)
ジャン・ジロドゥー、あるいは演劇におけるビサンチウム(清水徹 訳)
麻屑の火のような(清水徹 訳)
フランシス・ポンジュの『加担』についての手紙(入沢康夫訳)
選ばれた者の肖像(入沢康夫訳)
理知と断頭台(清水徹 訳)
無意味について(清水徹 訳)
ピエール・ボンネルへの手紙(清水徹 訳)
ペストのなかの追放者たち(宮崎嶺雄訳)
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 函あり
□publisher:新潮社
□date of issue:1972年 3刷(1971年 初版)
□size: 20x13.8cm
□page:267
□condition: 経年なり・普通 函ヤケスレ汚れ傷み
シミ 小口点茶シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
「異邦人」は、一般に広く知られている新潮文庫版の窪田啓作訳とは異なる、中村光夫訳。窪田訳の主語は「私」だが、中村訳では「僕」としている。個人的には、より若者らしさを感じる中村訳のムルソーに強く惹かれる。
「シーシュポスの神話」は、「不条理な世界」を生きる人間にとっての「幸福」とは何か、という「異邦人」の主題を掘り下げた哲学的論考。こちらは、新潮文庫版と同じ、清水徹訳。
装幀は、前衛芸術家集団ハイレッド・センターの高松次郎。
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今日、ママが死んだ。それとも昨日か、僕は知らない。養老院から電報がきた。《ハハウエシス」ソウシキアス」チヨウイ ヲ ヒヨウス》これでは何もわからない。たぶん昨日なのだろう。
養老院はアルジェから八十キロのマランゴにある。二時のバスに乗れば、午後のうちにつく。そうすれば、お通夜もでき、明日の晩帰れるだろう。社長に二日間の休暇を要求した。こんな理由がある以上彼は拒絶できない。しかし不満そうな様子だった。僕は彼に《僕のせいじゃないんです》とさえ言った。
(「異邦人」より)
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◎Contents
異邦人(中村光夫 訳)
シーシュポスの神話(清水徹 訳)
▶︎文芸評論、その他小品
モーリス・パレスと《後継者》論争(清水徹 訳)
ジャン・ジロドゥー、あるいは演劇におけるビサンチウム(清水徹 訳)
麻屑の火のような(清水徹 訳)
フランシス・ポンジュの『加担』についての手紙(入沢康夫訳)
選ばれた者の肖像(入沢康夫訳)
理知と断頭台(清水徹 訳)
無意味について(清水徹 訳)
ピエール・ボンネルへの手紙(清水徹 訳)
ペストのなかの追放者たち(宮崎嶺雄訳)
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 函あり
□publisher:新潮社
□date of issue:1972年 3刷(1971年 初版)
□size: 20x13.8cm
□page:267
□condition: 経年なり・普通 函ヤケスレ汚れ傷み
シミ 小口点茶シミ
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