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十年間(林芙美子 著、猪熊弦一郎 装幀、硲伊之助 挿画)
満州事変後の「十年間」の時の流れのなかで、不景気で先の見えない時勢に翻弄される、二十代の若者たちの恋愛と葛藤を描く群像劇。昭和15年、『婦人公論』に一年間にわたって連載された長編小説。
奥信州の田舎に生まれた鉄雄は、東京の大学を卒業したが就職できず一時帰郷する。そこで、幼馴染の李野との恋が再燃するが、鉄雄は東京に内縁の妻・雪子を残していた。
鉄雄は上京し、カフェーの女給に身をやつしていた雪子との関係を清算する。しかし、李野のもとには戻らずに、満州に就職先を得、一人で大陸へと旅立つ……。雑誌の読者を飽きさせないため、主人公の姉、妹、弟たちの人生模様も巻き込み、物語は息もつかせぬ展開で進んでゆく。
自立心が旺盛だが、男に裏切られても思いを断ち切れない、情の深い女として描かれている雪子には、林芙美子自身の人生観が色濃く投影されているようだ。
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私は昭和十五年の春、満州の東部にあるスヰフンガと云ふ町で數日過した事がある。非常に牧歌的な美しい町で、家も土地も凍つて寒いまふゆであつたけれども、「十年間」の作品の中の主人公を登場させるのに、多くこの邊の場所も選んでみた。
(「前書」より)
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ハードカバー
□publisher:新潮社
□date of issue:1941年 3刷(1941年 初版)
□size:18.2x13.5cm
□page:307
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み破れ
経年シミ 小口点茶シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
奥信州の田舎に生まれた鉄雄は、東京の大学を卒業したが就職できず一時帰郷する。そこで、幼馴染の李野との恋が再燃するが、鉄雄は東京に内縁の妻・雪子を残していた。
鉄雄は上京し、カフェーの女給に身をやつしていた雪子との関係を清算する。しかし、李野のもとには戻らずに、満州に就職先を得、一人で大陸へと旅立つ……。雑誌の読者を飽きさせないため、主人公の姉、妹、弟たちの人生模様も巻き込み、物語は息もつかせぬ展開で進んでゆく。
自立心が旺盛だが、男に裏切られても思いを断ち切れない、情の深い女として描かれている雪子には、林芙美子自身の人生観が色濃く投影されているようだ。
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私は昭和十五年の春、満州の東部にあるスヰフンガと云ふ町で數日過した事がある。非常に牧歌的な美しい町で、家も土地も凍つて寒いまふゆであつたけれども、「十年間」の作品の中の主人公を登場させるのに、多くこの邊の場所も選んでみた。
(「前書」より)
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ハードカバー
□publisher:新潮社
□date of issue:1941年 3刷(1941年 初版)
□size:18.2x13.5cm
□page:307
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み破れ
経年シミ 小口点茶シミ
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