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苔桃(森田たま 著)- 東方新書

苔桃(森田たま 著)- 東方新書
森田たまは、雑誌『少女世界』への投稿が認められ、10代の時に札幌から上京し、少女小説でデビュー。戦前戦後にわたって数多くの随筆を著し、女性エッセイストの先駆けとなった。

昭和30年に刊行された晩年の随筆集。
自らの人生航路を振り返り、同郷の作曲家・伊福部昭らとの交流などを記した「苔桃の果の歌」、自宅を火災で失った心境を淡々と綴る「失火の記」、戦後の世相をすくいとった「このごろの婦人雑誌」「沿道風景」など、随想32篇が収められている。
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自家から火を失してぼう然としてゐる。
あんまりびつくりしたので神経がまひしてしまつたのかもしれないが、焼けたものが惜しいといふ気はせず、何もかも焼いてしまつて、かへつてせいせいと身軽になつた心地がする。
三十年来に持ち歩いて、震災からも戦災からも守りとほした、古い手紙と古い日記を焼いてしまひ、一ばん大きな老後の楽しみを失つたが、それすらカタツムリの殻をふり落したやうな気らくな感じである。

(「失火の記」より)
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◎Contents
苔桃の果の歌 / みな月日記
百合樹 / 若き日
女の小説 / 映画
山茶花の季節 / 失火の記
泣き笑ひ / 隣人
犬と猫 / 硝子戸の中
わが望み / ズボンをはいてゐる人達
松虫 / つづり方について
秋の味覚 / 紫
秋袷 / このごろの婦人雑誌
勇気 / 沿道風景
小春日和 / 感謝祭
花束 / 螢の光り
門松 / うし紅
海鼠あり / 共産主義
上海のひと / 着物の味はひ

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:東方社
□date of issue:1955年 初版
□size:17.3×10.6cm
□page:228
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み
小口点シミ

» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
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