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いやしい鳥(藤野可織 著)
2006年に文學界新人賞を受賞したデビュー作『いやしい鳥』ほか2篇を収録。グロテスクなおかしみとおそろしさ、アイロニカルな哀しみに満ちた第一作品集。
家に閉じこもりだんだんと鳥に変身していく男。その男に復讐を誓う「俺」。そして、漏れつたわる怪しい気配におびえる、隣家の主婦。登場人物の視点を切り替えながら重層的に展開する『いやしい鳥』は、その文章の熱量と巧みなストーリー構成に舌を巻く。
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……ピッピは襲いかかってきた。当然だ、あれはピッピじゃない、俺の腹めがけて巨大なくちばしを突いてきた。俺はぎりぎりで避けて外に転がり出た。庭まで襲ってくると思って慌てふためいて草むらを転がって行って、ブロック塀にぶち当たってようやく止まった。
縁側の方を見ると、ピッピが、いや違う、トリウチが、いやとにかくあの鳥が和室からこっちを見ていた。
(『いやしい鳥』より)
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◎Contents
いやしい鳥
溶けない
胡蝶蘭
カバーデザイン:名久井直子
カバー画:マルー
解説:江國香織
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:河出文庫
□date of issue:2018年 初版
□size:15x10.6cm
□page:168
□condition:経年なり・良好
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
家に閉じこもりだんだんと鳥に変身していく男。その男に復讐を誓う「俺」。そして、漏れつたわる怪しい気配におびえる、隣家の主婦。登場人物の視点を切り替えながら重層的に展開する『いやしい鳥』は、その文章の熱量と巧みなストーリー構成に舌を巻く。
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……ピッピは襲いかかってきた。当然だ、あれはピッピじゃない、俺の腹めがけて巨大なくちばしを突いてきた。俺はぎりぎりで避けて外に転がり出た。庭まで襲ってくると思って慌てふためいて草むらを転がって行って、ブロック塀にぶち当たってようやく止まった。
縁側の方を見ると、ピッピが、いや違う、トリウチが、いやとにかくあの鳥が和室からこっちを見ていた。
(『いやしい鳥』より)
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◎Contents
いやしい鳥
溶けない
胡蝶蘭
カバーデザイン:名久井直子
カバー画:マルー
解説:江國香織
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:河出文庫
□date of issue:2018年 初版
□size:15x10.6cm
□page:168
□condition:経年なり・良好
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