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女の愛情(宇野千代 著、東郷青児 装幀)- コバルト叢書

女の愛情(宇野千代 著、東郷青児 装幀)- コバルト叢書
昭和14年〜23年に刊行された、小説・随筆・生活実用書などの充実したラインアップで人気を呼んだ「コバルト叢書」シリーズより。装幀は、宇野千代の恋人でもあった画家の東郷青児によるもので、とても洒脱な作りとなっている。

おしゃれ、新型冷蔵庫、あたらしい家、過去の恋、ふるさと岩国のこと、友人の林芙美子や三宅やす子のこと……。元祖モダンガールとして自由奔放に生きた宇野千代らしく、装いや暮らしへのこだわり、恋愛観、交友関係などを、心のおもむくままに綴っている。

戦前に刊行された本書を元に、戦後新装版も刊行されている。
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「檢温器を貸してやればよかつたな」ふと机の上の砂時計を眼にすると私はさう思つた。(略)
小さな楕円形のガラス球が二つ繋がつてゐて、上の球から下の球へ小さな針の目ほどの穴を通して、絶間なくさらさら砂が落ちる。褐色の粉藥のやうな色をした金剛砂だ。氣の早い一筋の雨垂のやうに、ちろちろちろと落ちて来る。上の球は忽ち蟻地獄のやうに凹んでしまひ、落ちた砂は崩れ落ち崩れ落ち、小さな圓錐形の山になる。
おしまひにすぽつと上の球の砂がみんな落ちて了ふまでの五分間の神秘さは變転極まりない宇宙の運動の一部のやうな氣がして可笑しいくらゐである。

(「街路樹」より)
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◎Contents
お洒落しやれても
おくさんの生活
ただのおくさん
女の愛情
狐のお嫁
寒い街・京城
忘れて了ふ記念日
戀のチヤンピオン
弔辭
三宅やす子さん
三宅さんを憶ふ
三宅さんと戀人
歸京記
牧野さんのこと
欲望無限
買ひ物
白い冷藏庫
わたしの家
犬好きでない
好きなハンドバツク
古着の味
讀んだものから
女統領の貫祿
たくさんの困つた人たち
街路樹
初夏の一日
自轉車に乘りませんか
空を飛ばふ
おくさんの外套
吉野熊野早廻り記
岩國の方言
林芙美子さん

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:鱒書房
□date of issue:1941年10版(1939年初版)
□size:18.2x12.8cm
□page:166
□condition:経年なり・可 カバーヤケ強スレ汚れ傷み
本体ヤケ強 経年シミ

» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
¥2,400 SOLD OUT

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