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心境と風格(林芙美子 著)

心境と風格(林芙美子 著)
昭和14年に刊行された林芙美子の随筆集。戦時色の強まってゆく日々への思い、内閣情報部の「ペン部隊」として戦地に赴いた際の見聞などを綴りながら、自らの文学的原点である「詩」の新作9篇を収録。

時節に即した行動をとりながら、それに反逆したいという気持ちをあわせもっていることを「詩」というかたちで表現している。

あとがきに、〈私は、若い人達の青春溢れるやうな時代を欲します。年をとつたひとがどんなに眉をひそめやうとも、もう一度「詩」の世界が爽々と流れて来ることを望んでゐます〉と記している。
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魚の合唱

みづのいろはかぜの匂ひがしてゐる
いちにち谷川のみづのおとをきいて
あとからあとから流れてくるあたらしいみづのいろに
わたしはほのかなくるしみをかんじてゐる
わたしは疲れていきをすることもできない
テニスをしたあとのやうに
咳をするとからだぢゆうがいたい
夜あけのみづのいろは
ちゝのやうなもやがたちこめてゐる

(「魚の合唱(詩四篇)」より)
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◎Contents
生きる日の為に
輝かしき追憶(詩三篇)
 輝かしき追憶
 風
 トールバツトの法則
仙臺
摩周湖紀行
舞臺稽古
魚の合唱(詩四篇)
 病床日記
 魚の合唱
 ギリシヤ詩
 慰安
相撲
田舎がへり
南京
頃日感想
膳所
商人と百姓

私の仕事
若き少尉をたづねて
私の文學生活
着物雜考
日常の生活
私の先生
月夜(詩)
こほろぎの日記
生命(詩)
東京生活
古い覺帳について
繪と遊ぶ ほか

絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:創元社
□date of issue:1940年 16版(1939年 初版)
□size: 18x13.5cm
□page:298
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み
背ヤケ強 三方ヤケ 経年シミ
数ページにインク?による線引きあり(写真9枚目)

» 随筆・エッセイ
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¥2,000

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