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味に想う(角田房子 著、風間完 装画)
『東独のヒルダ』『甘粕大尉』『閔妃暗殺』など、近現代史の深部に切り込んだ著作を発表しつづけたノンフィクション作家、角田房子。
第二次世界大戦後、新聞社のパリ支局長を長く務めた父君と旅したヨーロッパの街々を中心に、心に刻まれた風景と味を回想するエッセイ集。引き締まった文体から、豊かな味わいと香気がたちのぼる。
1988年に刊行された単行本を増補した文庫版。
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地下鉄で不思議な人物をみかけた。中年の男がモロッコのスレハムを着ている。これは頭巾つき、長袖、だぶだぶの足首までの長衣である。(略)
容貌は平顔で日本人型だが、浅黒い肌と口ひげはベルベール族のようだ。ゆったりした歩き方はモロッコ的だが、日本人にもこんなふうに歩く人もいる。国籍はついにわからずじまいで、長衣の男はプラットホームの人ごみに消えたが、彼は私に二年前のモロッコの旅を思い出させてくれた。
(「モロッコのパン」より)
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◎Contents
Ⅰ 食卓のしつけ
ウィーンのお菓子 / モロッコのパン …
Ⅱ 昔ばなし
ボヴァリー夫人の村 / サマルカンドの茶店 …
Ⅲ 燕の巣
上野の大福餅 / 弧を描くミント茶 …
Ⅳ ドレスデン
オテル・ムーリス / ムール貝 / たいめいけん …
Ⅴ ルイ十四世の騎馬像
ユトリロと赤ぶどう酒 / 荷風とおそば …
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:中公文庫
□date of issue:1992年 初版
□size:15.6x11.4cm
□page:209
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み折れ 三方薄ヤケ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
第二次世界大戦後、新聞社のパリ支局長を長く務めた父君と旅したヨーロッパの街々を中心に、心に刻まれた風景と味を回想するエッセイ集。引き締まった文体から、豊かな味わいと香気がたちのぼる。
1988年に刊行された単行本を増補した文庫版。
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地下鉄で不思議な人物をみかけた。中年の男がモロッコのスレハムを着ている。これは頭巾つき、長袖、だぶだぶの足首までの長衣である。(略)
容貌は平顔で日本人型だが、浅黒い肌と口ひげはベルベール族のようだ。ゆったりした歩き方はモロッコ的だが、日本人にもこんなふうに歩く人もいる。国籍はついにわからずじまいで、長衣の男はプラットホームの人ごみに消えたが、彼は私に二年前のモロッコの旅を思い出させてくれた。
(「モロッコのパン」より)
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◎Contents
Ⅰ 食卓のしつけ
ウィーンのお菓子 / モロッコのパン …
Ⅱ 昔ばなし
ボヴァリー夫人の村 / サマルカンドの茶店 …
Ⅲ 燕の巣
上野の大福餅 / 弧を描くミント茶 …
Ⅳ ドレスデン
オテル・ムーリス / ムール貝 / たいめいけん …
Ⅴ ルイ十四世の騎馬像
ユトリロと赤ぶどう酒 / 荷風とおそば …
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:中公文庫
□date of issue:1992年 初版
□size:15.6x11.4cm
□page:209
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み折れ 三方薄ヤケ
» 随筆・エッセイ
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