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香艶の書・青粥の記(森田たま、林芙美子 著)現代日本随筆選 4
森田たま、林芙美子の戦前の随筆を精選し、一冊にまとめた選集。
現代日本随筆集全8巻のうちの第4巻。
自らの生活の周辺に眼差しを向けて硬質な文章を綴る「森田たま」、余人にあらざる行動力をもってルポなどを試みる「林芙美子」。二人の作家の個性が際立つ作品群が集められている。
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わたしは刑務所を見にゆくという云ふことは初めてのことです。早い朝の汽車のなかで、わたしは呆んやり色々のことを考へてゐました。
(略)
朝の汽車はたいへん爽かに走つてゐます。野も山も鮮やかな緑に萌えたつて、つゝじの花の色も旅を誘ふやうに紅い色をしてゐました。わたしは、その一瞬の飛んでゆく景色にみとれながら、女囚のひとたちをみにゆく自分の氣持ちを何だか殘酷なものにおもいはじめてゐるのです。
(「新生の門 —栃木の女囚刑務所を訪ねて—」より)
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◎Contents
香艶の書 — 森田たま
東京の女・大阪の女
他人の花
夢十話
七草艸子
いとはん
香艶の書 ほか
青粥の記 — 林芙美子
私の東京地圖
到る處靑山あり
新生の門
文學的自叙傳
青粥の記
思ひ出の記 ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1953年 初版
□size:18.8x13cm
□page:232
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み
本体三方ヤケ P117 汚れ(写真7枚目)経年シミ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
現代日本随筆集全8巻のうちの第4巻。
自らの生活の周辺に眼差しを向けて硬質な文章を綴る「森田たま」、余人にあらざる行動力をもってルポなどを試みる「林芙美子」。二人の作家の個性が際立つ作品群が集められている。
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わたしは刑務所を見にゆくという云ふことは初めてのことです。早い朝の汽車のなかで、わたしは呆んやり色々のことを考へてゐました。
(略)
朝の汽車はたいへん爽かに走つてゐます。野も山も鮮やかな緑に萌えたつて、つゝじの花の色も旅を誘ふやうに紅い色をしてゐました。わたしは、その一瞬の飛んでゆく景色にみとれながら、女囚のひとたちをみにゆく自分の氣持ちを何だか殘酷なものにおもいはじめてゐるのです。
(「新生の門 —栃木の女囚刑務所を訪ねて—」より)
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◎Contents
香艶の書 — 森田たま
東京の女・大阪の女
他人の花
夢十話
七草艸子
いとはん
香艶の書 ほか
青粥の記 — 林芙美子
私の東京地圖
到る處靑山あり
新生の門
文學的自叙傳
青粥の記
思ひ出の記 ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1953年 初版
□size:18.8x13cm
□page:232
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み
本体三方ヤケ P117 汚れ(写真7枚目)経年シミ
» 随筆・エッセイ
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