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感情山脈（小島政二郎 著、宮田重雄 装幀）- 家庭文藝名作選
戦前・戦中に数多くの大衆小説を執筆し人気を博した、小島政二郎（1894-1994）。「感情山脈」は、1935年に朝日新聞に連載された小説で、清水宏監督・桑野通子主演によって映画化もされています。装幀は、梅原龍三郎に師事した画家・医師の宮田重雄。
昭和初期のモダンガール立花はるみが、マネキン・女優などとして活躍しながら、作家やデパートの支配人と恋愛を繰り広げる長篇小説。はるみに嫉妬する女たちや、横恋慕する子爵などの嫌がらせを撥ね除けて、大胆不敵に道を切り拓く一人の女性の姿を描いています。
物語は、主人公が「日本最初の女パラシューター」として空から舞い降りるところから始まり、読者の心をつかんで離さない巧みな筆致で展開していきます。
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千五百メートルの高所で空中に放り出されたはるみは、鼻と口とを風に猛烈になで上げられて、このまま窒息するのではないかと思つた。目は堅くつぶつてゐても、明いてゐるのと同じやうにめくるめいた。（略）
「ああ……」はるみはもう駄目だと思つた。駄目でもいいと思つた。大地へ叩き附けられて體が粉微塵になることも、ちつとも怖くなかつた。何でもいい、この動の凄まじさから、一刻も早く不動の静けさへ落ち着きたかつた。（「落下傘」より）
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher：家庭社
□date of issue：1947年 初版
□size：17.8x12.6cm
□page：397
□condition：経年なり・普通 ヤケスレ汚れ傷み 経年シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
昭和初期のモダンガール立花はるみが、マネキン・女優などとして活躍しながら、作家やデパートの支配人と恋愛を繰り広げる長篇小説。はるみに嫉妬する女たちや、横恋慕する子爵などの嫌がらせを撥ね除けて、大胆不敵に道を切り拓く一人の女性の姿を描いています。
物語は、主人公が「日本最初の女パラシューター」として空から舞い降りるところから始まり、読者の心をつかんで離さない巧みな筆致で展開していきます。
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千五百メートルの高所で空中に放り出されたはるみは、鼻と口とを風に猛烈になで上げられて、このまま窒息するのではないかと思つた。目は堅くつぶつてゐても、明いてゐるのと同じやうにめくるめいた。（略）
「ああ……」はるみはもう駄目だと思つた。駄目でもいいと思つた。大地へ叩き附けられて體が粉微塵になることも、ちつとも怖くなかつた。何でもいい、この動の凄まじさから、一刻も早く不動の静けさへ落ち着きたかつた。（「落下傘」より）
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher：家庭社
□date of issue：1947年 初版
□size：17.8x12.6cm
□page：397
□condition：経年なり・普通 ヤケスレ汚れ傷み 経年シミ
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