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チャイナ・カシミア(川上亜紀 著)
早稲田大学在学中に難病にかかり、闘病しながら創作を続け、2018年に49才でこの世を去った詩人・川上亜紀の第二小説集。
川上亜紀、ひとつの世界をずっと生きて変わらない、その編み目に狂いはなく欺瞞はなく、そこにはいきなり生の、真実の「小さい」感触が入ってくる。それはさまざまな世界に読み手を導く。
(「解説」笙野頼子 より)
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雪は空から地上に向かって降っているのに、見上げていると体が浮き上がっていきそうだ。ベランダの窓を閉めていると、部屋の隅で灰色の獣が黄色い目を開ける気配がしてきて、私は振り返った。
すると部屋のもうひとつの隅で光っていたテレビから「氷点下」という音声と白い文字が流れ出した。灰色猫は深々と屈伸運動をしてから台所に向かって歩いていく。
(「チャイナ・カシミア」より)
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◎Contents
チャイナ・カシミア
北ホテル
靴下編み師とメリヤスの旅
灰色猫のよけいなお喋り 二〇一七年夏
解説:知らなかった(笙野頼子)
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher: 七月堂
□date of issue:2019年 初版
□size:13.4x19.4cm
□page:165
□condition:経年なり・良好
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
川上亜紀、ひとつの世界をずっと生きて変わらない、その編み目に狂いはなく欺瞞はなく、そこにはいきなり生の、真実の「小さい」感触が入ってくる。それはさまざまな世界に読み手を導く。
(「解説」笙野頼子 より)
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雪は空から地上に向かって降っているのに、見上げていると体が浮き上がっていきそうだ。ベランダの窓を閉めていると、部屋の隅で灰色の獣が黄色い目を開ける気配がしてきて、私は振り返った。
すると部屋のもうひとつの隅で光っていたテレビから「氷点下」という音声と白い文字が流れ出した。灰色猫は深々と屈伸運動をしてから台所に向かって歩いていく。
(「チャイナ・カシミア」より)
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◎Contents
チャイナ・カシミア
北ホテル
靴下編み師とメリヤスの旅
灰色猫のよけいなお喋り 二〇一七年夏
解説:知らなかった(笙野頼子)
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher: 七月堂
□date of issue:2019年 初版
□size:13.4x19.4cm
□page:165
□condition:経年なり・良好
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