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駱駝はまだ眠っている(砂岸あろ 著)
物語の舞台は、京都の烏丸今出川に実際にあった喫茶店「駱駝館」。時代は、1970年代前半。
文学に憧れる10代の少女・森下まろんと、その母親で「駱駝館」の女主人・都さん、そして「駱駝館」にたむろするさまざまな人々の姿を描いた青春群像。
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少し離れて後を追いながら、わたしは道端の大きなゴミ箱に、抱えていた紙袋を投げ込んだ。金属製の蓋がはねかえり、大きな音を立てた。北浦俊平は足を止め、ふりかえった。
「いいのか?捨てても」
「うん」
「大切なものなんだろ?」
かまへんの、とわたしはいった。過去だから。
「過去?」
「うん、過去は捨てるの」
ふうん、とゴミ箱をふりかえり、強いな、とつぶやいた。
(「第1章 1972年 夏」より)
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◎Contents
第1章 1972年 夏
第2章 1973年 春
第3章 1973年 夏から冬
第4章 1974年 春
第5章 1974年 夏
第6章 『航のノート』
あとがき
装幀:田中淑恵
カバー写真:甲斐扶佐義
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:かもがわ出版
□date of issue:2005年 初版
□size:19x13.2cm
□page:229
□condition:経年なり・良好
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
文学に憧れる10代の少女・森下まろんと、その母親で「駱駝館」の女主人・都さん、そして「駱駝館」にたむろするさまざまな人々の姿を描いた青春群像。
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少し離れて後を追いながら、わたしは道端の大きなゴミ箱に、抱えていた紙袋を投げ込んだ。金属製の蓋がはねかえり、大きな音を立てた。北浦俊平は足を止め、ふりかえった。
「いいのか?捨てても」
「うん」
「大切なものなんだろ?」
かまへんの、とわたしはいった。過去だから。
「過去?」
「うん、過去は捨てるの」
ふうん、とゴミ箱をふりかえり、強いな、とつぶやいた。
(「第1章 1972年 夏」より)
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◎Contents
第1章 1972年 夏
第2章 1973年 春
第3章 1973年 夏から冬
第4章 1974年 春
第5章 1974年 夏
第6章 『航のノート』
あとがき
装幀:田中淑恵
カバー写真:甲斐扶佐義
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:かもがわ出版
□date of issue:2005年 初版
□size:19x13.2cm
□page:229
□condition:経年なり・良好
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